神秘とロマンの宝庫、セピック川の旅

神秘とロマンの宝庫、セピック川の旅

大人のロマンがちりばめられたセピックの旅。今回も引き続きその魅力をお伝えします。

セピック川流域には土着の文化を継承する小さな村落が点在し、それぞれ異なる部族が暮らしています。この地域で特徴的なのは、森羅万象に精霊が宿るとされる精霊信仰の存在です。その象徴ともいえるのが精霊の家「ハウスタンバラン」。ポートモレスビーにある国会議事堂のイメージにもなったこの建築物は、全ての精霊が宿る神聖な場所です。その外観や内装は村により異なりますが、共通して会合や儀式が行われたりと村の様々な役割を果たしています。特に成人を迎える男子にとっては通過儀式を行う重要な場所です。ハウスタンバランは女性の子宮だと考えられていて、そこでイニシエーションを受けることで一人前の男として生まれ変わり、部族の一員として認められるのです。原則女性や他部族の立ち入りを厳しく禁止していますが、一部のハウスタンバランでは観光客は入ることが認められています。

精霊信仰が生む彫刻や仮面などのプリミティブアート(原始美術)鑑賞もセピックの旅の醍醐味といえるでしょう。実はこれらの芸術品、世界的に芸術性が高く評価されており各地で高額されています。一度見たら忘れられないほどのインパクトを持つユニークなデザインの多くは彼等の信仰や精霊を具象化したもの。信仰する動物などがモチーフとなって描かれているので、部族によってその違いを発見するのもおもしろいでしょう。

セピックに息づく神秘的な世界を垣間みるには、村々をカヌーで巡るビレッジツアーに参加するとよいでしょう。太古からの伝統が根強く残る一方、西洋から入ってきたキリスト教の影響により独自の文化が失われつつある場所もあります。現存のセピックの姿を体感することはきっと貴重な体験になるに違いありません。