Vol. 19 - パプアニューギニアは“プリミティヴ・アート大国”

Vol. 19 - パプアニューギニアは“プリミティヴ・アート大国”

“プリミティヴ・アート(primitive art)”という言葉を聞いたことがありますか?
一般的には先史時代や未開部族の美術、広義では世界各地に点在する土着の民族芸術を意味します。アート好きな方ならアフリカンアートを真っ先に想像するかもしれません。実は、アフリカよりも遥かに日本に近いパプアニューギニアは、世界中のアート関係者や芸術家たちが注目するプリミティヴ・アートの宝庫なのです。

今回は、パプアニューギニアの民族たちが生み出すプリミティヴ・アートの中でも特に有名な、セピック地方の芸術品の魅力をお伝えします。

ニューギニア島中央高地からビスマーク海へ向かって蛇行する、この国随一の大河セピック川。このセピック流域は、パプアニューギニアの中でも特に太古からの風習が色濃く残る神秘的な地域で、訪れる人を魅了してやみません。西洋文化が流入している現代においても、「セピック・アート」と呼ばれる精霊信仰に基づく独自の建築や彫刻、工芸品が生み出され、アートへの関心が高い旅行者にとっては“MUST SEE PLACES”となっています。
セピックアートに使用される原料は、主に現地の樹木や動物の骨、石灰など。例えば「ストーリーボード」は、木の板に神話の一場面や村の生活を彫刻で表現したもので、大きさもハンディなものから迫力あるものまでさまざまです。信仰をかたどった表情豊かな仮面は、多くの旅行者を虜にしています。
最も神聖なアートを目にできるのは、セピック各地に点在する「ハウスタンバラン」でしょう。集落の中心に鎮座する精霊の家は、原始宗教の力強さが凝縮された芸術空間です。歴史ある宗教芸術品は国外へ持ち出すことが禁じられていますが、生活者の手による素晴らしい美術品を実際に購入することができます。
セピックを訪れたら、熱帯雨林の中の村々をカヌーで巡り、パプアニューギニアのプリミティヴ・アートに触れることのできる、ビレッジツアーへの参加もおすすめです。

かつて岡本太郎やピカソをも魅了したと言われる、迫力あるデザインや色彩から、自然と共に生きる民族たちの個性を感じてみてください。

セピック川流域