求愛ダンスに誘われて〜バード・オブ・パラダイス〜

Vol. 10 – 求愛ダンスに誘われて〜バード・オブ・パラダイス〜

求愛ダンスに誘われて〜バード・オブ・パラダイス〜

鳥たちの楽園、パプアニューギニア。生息する800種のうち、約半分が固有種といわれ、世界でも類を見ないバードウォッチングのメッカとなっています。

この国でしか見ることのできない多種多様な鳥の中でも、特に人々の心を惹きつけてやまないのがフウチョウ(風鳥)。極楽鳥とも呼ばれ、国旗に描かれていることからも分かる通り、パプアニューギニアの人々は古くからこの鳥を神聖な存在として崇拝してきました。39種いるとされる極楽鳥はそのどれもが鮮やかな色に彩られています。オスは美しい飾り羽を持ち、その長さはなんと1mにも及ぶ種もあるほど。生存競争の激しい自然界で、ここまで目立つ姿をまとい続けることができたのは、天敵がいなかったために身を隠す必要がなく、豊富な食べ物に恵まれた居心地のよい環境下で子孫を残すことに専念できたからと考えられています。

極楽鳥の最大の特徴は、オスの求愛行動。オスは繁殖期になると、優雅で激しく、そしてコミカルなダンスでメスの気をひくのです。羽を広げ飛び跳ねたり、逆立ちをしてみたり、歌を口ずさんだりと、思い思いに魅惑のダンスを繰り広げます。その舞台となる踊り場を事前に掃除する極楽鳥もいるのだとか。オスはその美貌と涙ぐましい努力を経て、ようやくメスの心を射止めるのです。

ジャングルに暮らす極楽鳥の生態は、未だ多くの謎に包まれたまま。パプアニューギニアを旅する中で、幻ともいわれるその姿に出会う機会に恵まれたら…。それは極楽鳥がもたらす幸運の証かもしれません。